宝彩瞑想会|中野支部

瞑想の基本から、その奥まで。

12月の中野支部レポート|065

2016年12月11日(日)の午前、第65回中野支部瞑想会を開催しました。全員が瞑想会初参加で、瞑想にも慣れてない方が多かったため基本的な説明から。瞑想の目指すところ、雑念と棚上げの意味、棚上げ作業と夢(記憶の整理作業)の関係、『瞑想の真髄のサマリー』や『瞑想のニュートン算』『愛と欲の8要素表』などなど。質問もいろいろとありましたが、印象的だったものを少し紹介します。

瞑想で15分のタイマーを使っていいのでしょうか?という質問があり、それに対して、タイマーは瞑想中に突発的な音がするとびっくりするので使わない方がいいですよ、と。また、一本の瞑想が15分というのは目標ではなく、生理的な集中力の限界が15分という意味なので、それ以前に集中力が切れたらそこでやめる方がいいという説明をしました。

さて、その質疑応答がおわって一本瞑想したあとに同じ方から質問があり、面白い展開になりました。
「さっきの瞑想で『私は無になった』と思ったんですが、そのあと雑念が出てきて‥‥。これは集中力が切れたということでしょうか?」
「いえ、ちょっと待ってください。『私は無になった』と思ったんですよね?思ったというのは、考えたということで、つまりそれも雑念ですよ(笑)」
「え、あ、ああ、あはははは。たしかにそうですね」と笑いくずれていました。

優先順位の高い、大きな雑念・懸案事項が片付いてくると、マインドは瞑想のことを考え始めます。あるいは瞑想に関する意欲が強い人は瞑想を始めてすぐからかもしれませんが、いずれにしても、瞑想中に自分の瞑想の状態をチェックする思考が出てくるのはよくあることです。こういう思考は気づきにくいものですが、それも他の思考と同じく雑念です。「何か雑念はないかな? 何も出てきてないな、無になったんだな」という思考ですね。

僕も経験がありますが、「何か雑念はないかな?」の他には「あの思考は棚上げできたかな?」とか「どうすれば瞑想の第二段階に行けるのか?」とか「マントラ以外、何も考えてないなあ」とか(笑)。こういった瞑想が上手くなりたいという欲に基づいた雑念も、しっかり気づいて棚上げする必要があります。

ところが、こういう場合の僕の経験では、「他のことなら後で考えるっていうのもできるけど、瞑想は今まさに起きていることだから、それを忘れることなんてできない」とマインドは言い張ったりします。ここで「なるほど、その通りだな」などとマインドに騙されてはいけません。

よく考えてみてください。瞑想以外の、仕事のことや人間関係や将来の心配やその他もろもろの懸案事項を考えてたとき、瞑想のことなんて考えてもいなかったでしょう? マントラを唱えることをすっかり忘れて(笑)。つまり、瞑想についての考えも、他の考えとまったく同じただの思考です。それも手放して、マントラに戻ってください。

宝彩瞑想リーダー:チバ

11月の中野支部レポート|064

2016年11月13日(日)の午後、第64回中野支部瞑想会を開催しました。今回は、瞑想会前日に宝彩先生の本を読んだばかりという方がいらしたので、マントラや棚上げ(浄化三手順)の説明、雑念とは何か、といった基本的なお話からさせていただきました。

雑念に関しては「瞑想会のしおり」を使いながら、外部情報と内部情報といった用語の説明もしましたが、「言葉としてはわかるけど……」と。
そこで、「音を聞く」「105引く7」「外部情報か内部情報か」のワークを体験してもらったところ、とても興味深げな様子で納得されていました。

他には、記憶力が落ちて思い出せないことがあるという話もあり、以下のようなお話をしました。
「思い出せない」のは、マインドがその記憶情報のインデックス(索引)を一時的に見失っているということ。そういう場合、必死になって思い出そうとすると、かんたんに堂々巡りにはまります。
思い出したい→思い出せない→ああイライラする→ああ早く思い出したい→思い出せない→(以下略)とマインドの机上が混乱するばかりで、ますます記憶情報への辿り方が見えなくなる。

なので、思い出そうとするのをいったんやめた方がいい。
記憶した情報は必ず残っているので、安心して「まあ、いいかあ」と思い出そうとすることを忘れると、いずれ思い出します。もしそのまま思い出そうとしたことさえ忘れたなら、まあそれはそれでいいんじゃないでしょうか(笑)。

また、もともと興味のないこと、重要ではないとアタマが判断したことは、記憶そのものをしていないこともありますが、それもそもそも覚えてなくてもいいことなのでは?
いずれにしても、瞑想してマインドの机上をクリーンにすることは、頭の働きにいい影響がありますよ。
と、記憶については、自分の体験を踏まえてこのような話をしました。

今回の呼び水のテーマは「秋のイベント」。運動会に関連した思い出をいくつも挙げられていた方が、そのあとの瞑想で、久しぶりに子供の頃の先生の顔が出てきて「ああ、こんな先生いたなぁ」と思ったり、いろんな友達の顔や校舎の様子がありありと見えたと感慨深げにおっしゃっていました。瞑想で過去情報にアクセスできたときは、懐かしくて豊かな気持ちになりますね。

宝彩瞑想リーダー:チバ

10月の中野支部レポート|063

2016年10月1日(土)の夜、第63回中野支部瞑想会を開催しました。これまで使っていた施設が来年の春まで改装工事で閉鎖のため初めての場所での開催でしたが、広々として静かな雰囲気のいい会場でした。みなさんが熱心に質問され、充実した瞑想会となりました。

まず、瞑想をはじめて一ヶ月という方に、他のことを考えないようにマントラを唱えて精神統一することではなく、あるいは、漫然とマントラを唱えてリラックスすることでもなく、次々と出てくる雑念をどんどん棚上げしていくことが瞑想です、とお話ししました。瞑想の第一段階で行う浄化三手順の説明ですね。

また、他の方から瞑想の実践に関して多くの疑問が。
イヤフォンを使うこともあるが、それでいいのか? 棚上げするとときに「棚上げ!」と思ってやっているが、それでいいのか? 瞑想の時間感覚を身につけた方がいいのか? 等々。
ひと通り答えたあと、瞑想への取り組み方について、次のようなアドバイスを。

テキストに書いてあることや教えられた通りの瞑想ができているかどうか、そういったことばかりを気にして瞑想を固定化して考えるのではなく、自分でいろいろ試して工夫してみるのがいいですよ。そうやってトライアル&エラーを繰り返していくことで、「テキストに書かれているから正しい」ではなく、自分の瞑想体験によって「あのテキストは正しい」と言えるようになります。

そのときに大事なのは、自分の実感です。瞑想をして、頭がすっきりしたとか気持ちが軽くなったとか、出てくる雑念が大きなものから小さなものになっただとか、そういった実感。瞑想ができているかどうかというのは、実際には、棚上げが進んでいるかどうかです。

瞑想を始めるモチベーションとして第二段階に入りたいというのはもちろん理解できますが、日々の瞑想でもそれにこだわっていると、瞑想することが「仕事」になってしまう。アタマの仕事を棚上げしていくことが瞑想なのに、それでは本末転倒です。マインドの机上のデータが片付けば、いずれ第二段階に入ります。
それよりも、一回一回の瞑想の小さな変化を楽しんでください。本来、瞑想は面白いものですよ。

参加者の方からコメントをいただきましたのでご紹介します。

チバさん

本日は、沢山ご指導をいただき誠にありがとうございます。日常での実践と瞑想に対する実感を大切にしながら瞑想に取り組もうと思います。

11月13日の支部瞑想に伺いたく存じます。どうぞ宜しくお願いします。

まるちゃん

チバさま

先日はお世話になりました、ケンタロウです。

先日の感想としては、『理想と現実の間で実感を頼りに進んでいくという行程は、瞑想に於いて最後まで続く・・・』ということが、腑に落ちた回でした。

その意味で、個人的に、参加した甲斐があった回でした。

ありがとうございました。

宝彩瞑想リーダー:チバ

9月の中野支部レポート|062

2016年9月3日(土)の午前、第62回中野支部瞑想会を開催しました。今回は初参加の方ばかりで、中には瞑想するのが今日は初めてという方もいました。まずは、「瞑想が終わった後に瞑想中ちゃんと腹式呼吸ができていたのか気になるのですが」という質問があり、次のような対話になりました。

「瞑想中は呼吸のことは気にしない方がいいんですよ」
「いえ、瞑想中は気にしていません」
「でも、うまく呼吸ができてないんじゃないかと瞑想中に気になっているから、瞑想後に改めて考えているわけですよね」
「瞑想中は呼吸のことを考えても棚上げしてます」
「そうですね。呼吸のことが気になったら棚上げするのが正しいやり方です。でもそれ以前に、瞑想と呼吸のことは今の段階ではわけて考えた方がいいと思います。
腹式呼吸ができれば、瞑想をする際には有利ですが、それは腹式呼吸がいちばん刺激が少ない呼吸だからです。瞑想でいちばんいい呼吸というのは、呼吸に意識が向かない呼吸です。だからと言って、腹式呼吸ができているかどうか気にしていると、本来のねらいとは逆に、呼吸のことを意識してそれに気づいて棚上げするという余分な作業が増えてしまいます。
なので、呼吸は、瞑想とは別な時間を取って練習したり、日常生活の中でもこまめに思い出して練習する。で、瞑想中は、呼吸のことは忘れて瞑想に集中した方がいいです。もし呼吸のことが出てきたら、これまで通り棚上げですね」

また、境地瞑想に行くコツを知りたいという質問については、瞑想の第一段階の棚上げ作業の意味をお話して、要はアタマの中をクリーンにする必要があることを説明しました。
そのためには、時間がとれるときに、何本か続けてやってみるといいということも。ただ、何本か連続してやれば、必ず瞑想が深くなるというわけではないし、逆に、境地瞑想に入りたいという欲が、深い瞑想への妨げになるかもしれません。
なので、一回一回の瞑想で、棚上げ作業をしっかりやって、「アタマがすっきりしたな」とか「今日は調子いいな、もう少しやってみたい」といった自然な意欲があれば続けてやってみるというやり方がオススメです。
自分に本数を課したり、何本やればこうなるとか思ってやらない方がいいですよ。また、一回の瞑想も15分を目指すのではなく、集中が切れてきたらそこでやめた方がいい、といった話もしました。

あと、境地瞑想について、それはどんな感じなのかといった質問もありましたが、その答えを聞くと、瞑想中に自分の瞑想の状態をチェックして、瞑想がうまく行っているかどうか判断したり期待が走ったりするので、あまり予備知識は入れない方がいい。アタマの片付けをしっかりやっていけば、それぞれ自分にとって必要なことが起きてきますよ、とお話しました。
熱心なみなさんのおかげで、今回も充実した瞑想会になりました。

参加者の方からコメントをいただきましたのでご紹介します。

チバ様

先ほど、学んだことをノートにまとめました。日々の瞑想に活かしていきます。今日は本当にありがとうございました。

◆学んだこと

瞑想中、呼吸に気にしない。

瞑想中、雑念が出るのは当たり前。重要なのは雑念にすぐ気付くこと。マントラは雑念に気付くためのもの。

雑念の種類は2種類。
外部感覚情報は「寒い、熱い、痒い」などの五感を通したもの。外部感覚情報の雑念を極力出さないようにするには、まず座る環境から整える。騒音で集中できないのなら、瞑想用の音源(タンブーラ等)をスピーカ、もしくはイヤホンで流す。

内部思考情報は現在情報(今日一日の記憶)と現在懸案情報(まだ片付いていない問題など)

内部思考情報の雑念で(今日、何を食べようか。△△本の内容はこんなのだったけ。)などの雑念は気付きやすいが、(ちゃんと瞑想できてるのかな、今日、瞑想うまくいっているな。お、あんまり雑念が出ていないな。)などの雑念は気付きにくい。瞑想が深くなるのを期待したりすることも雑念。マントラ以外の思考は全部雑念。ただ、ひたすらマントラを唱えては雑念に気付き、あとにしよう、またマントラに戻るの繰り返し。

続けて数回瞑想すると、瞑想が深くなる可能性が高まる。ただし、境地瞑想に入りたいなどの欲は持たないこと。それ自体もまた雑念。ただ単にもう一回瞑想しておこうかみたいなノリで。瞑想を楽しむ

日常生活の暇な時間にF瞑想をして、ある程度、雑念を減らすこともできる。

実践瞑想の最後で「その集中している中心をもはずす」。これはマントラが消える感じ。

何分、座るのかは厳密に決めるのではなくて、集中力が切れたらすぐにやめること。ただし、最高15分まで。

瞑想とは頭(前頭葉)が働くのをストップさせること。雑念が出るたんびにストップして、最終的に考えるネタがなくなると無思考になる。

雑念と瞑想(掃除をして情報を片付けること)の関係はニュートン算。ニュートン算で、すべての雑念が0より小さくなると勝手に境地瞑想に入る。

岡部

宝彩瞑想リーダー:チバ

8月の中野支部レポート|061

2016年8月21日(日)の午後、第61回中野支部瞑想会を開催しました。今回は瞑想会初参加の方ばかりでした。最初の瞑想の後、「瞑想中に勝手に目が開くのですが」といった質問があり、それに関連して「目を閉じて音を聞く」「105引く7」「外部情報が先か、内部情報が先か」のワーク。また、「瞑想のニュートン算方程式」や「愛と欲の8要素表」などの説明も行いました。

「愛と欲の8要素表」の愛転化の解説をするために、何か悩みや問題はないか募集すると、「嫌いな上司」の話が参加者のAさんからありました。
以前は、その人が電話で取引先と話しているだけでイライラしていたけど、でもこの人にも家族がいて、その人なりの人生があるんだなと、上司を認める方向に考えるようにしていたら、最近はわりと気にならなくなっていたとのこと。

「それは素晴らしいですね。さらに、どこが嫌いだと思うのかを明確にして、その逆の方向に思考の向きを変えれば、今度は、まったく気にならなくなりますよ」と言ったところ、「要領が良くて自分がうまくやったことを、電話しながら周囲にアピールしているのが、腹が立つ」と、Aさん。「それじゃあ、その電話の話を聞いている時に『わあ、おめでとう!』と祝福してあげれば、欲が消えて、きっといい気分になると思います。ぜひ、試してみてください」とお話ししました。

他には、Bさんから「觀照がうまくできないのですが」という質問もあり、くわしく話を聞いてみると、觀照ができていないのではなく、欲の解消ができていない感じでした。その点を確認してみると、欲の思考を愛の方向に変える作業はしているとのこと。具体的な例としては、自分が欲しかった限定品が手に入らなかったときに、「その限定品を、自分の代わりに誰かにあげる」と思うようにしてみた。でも、やっぱり欲しい。で、ついオークションとかで探してしまうそうです。

「それだと、まだ欲は解消できてないようですね。欲を解消するには、限定品を手に入れて欲を満たすか、愛転化して欲そのものを消すかですが、どちらを選ぶか選択の問題です。それは自分で責任をもってしっかり選んでください。まぁ実際のところ、確実にできるのは自分の思考を変えることですが(笑)。
で、欲の思考を愛の方向に変える作業は、一度やればそれでOKという場合もありますが、一度でできなかったら、マインドがその欲を持ち出してくるたびに、やればいいんです。マインド以上のしつこさで。
マインドは超合理的だから、51対49で欲の思考の方が大きかったら気分は変わらないけど、ある瞬間に49対51になったら、だーっと愛の方向に行って気分がすごく変わります。だから、量の問題だと思ってやってみたらどうでしょう」といったお話をしました。

参考:知恵の完成と「愛と欲の8要素表」

宝彩瞑想リーダー:チバ

7月の中野支部レポート|060

2016年7月24日(日)の午後、第60回中野支部瞑想会を開催しました。瞑想を始めて1ヶ月という方から数年のベテランまでとバラエティ豊かな皆さんでした。瞑想会初参加の方の質問から始め、「瞑想会のしおり」の説明、「目を閉じて音を聞く」「105引く7」「出てくるのは内部情報か、外部情報か」のワークなど。

質問は、横になって瞑想していいかという質問(しない方がいいです)や堂々巡りを止める方法、瞑想中のかゆみをどうするか、といったものがありました。あと、F瞑想や朝起き体操の話など。

印象的だったのは、仕事のことで悩んでいるAさん。仕事上の手順や関係者の力関係など微に入り細に入りお話ししてくれましたが、どうやら他人の思惑の板挟みになってしまっているのが問題のようでした。ただ、あまりに話が細かすぎるので、いったんAさんを止めて、「外の問題ではなく、自分の欲を観るのが修行のポイントですよ」と。すると、Aさんは「仕事ができる人と思われたい欲ではないかと」と。

「それでは、Aさん、人にものを頼むことは得意ですか?人から頼まれたことを断ることはできますか?」と聞いてみると、どちらも苦手とのこと。なるほど、たしかに「仕事ができる人と思われたい欲」は強そうです(笑)

そこで、「明日から一日に何かひとつ頼む練習をしてみるといいですよ。ただ、頼み慣れてないだろうから、少しずつ小さなことから頼んでみるのがいいですよ」とアドバイス。
Aさんも納得されたようで、瞑想会のあとカフェで「電話してもたいていいない人がいて、今まではまたかけ直しますと言ってましたが、明日は折り返ししてもらうよう頼んでみます」とおっしゃってました。
このささやかな変化が、どんな変化へとつながるか楽しみですね。

宝彩瞑想リーダー:チバ

6月の中野支部レポート|059

2016年6月4日(土)の夜、第59回中野支部瞑想会を開催しました。参加者は瞑想に慣れた人達ばかりで、夜の瞑想会は久しぶりということもあり、前半は明かりを落としたまま休憩をはさみつつ3本続けて瞑想を行いました。その後、瞑想の第二段階の話題が出たので、「どうすれば、第二段階に入らないでいられるか」というお話をしました。「入れる」ではなく、「入らない」です(笑)。

その方法は「どうやったら瞑想が深くなるか、どうしたら第二段階に行けるかを考えること」です。具体的な思考の例をあげると、「雑念がかなり片づいてきたな」「第二段階に入ったらどんな感じなんだろう」「おっ、なんかいい感じになってきた。もうちょっとで何か起きるんじゃないかな」などと考えることです。
これらも全て雑念ですが、こういった思考に気づいた後に、さらに第二段階に行くのを押しとどめるやり方としては、ダメ出しをすることです。「瞑想のことを考えてると、瞑想が進まない。それも雑念だから、考えたらダメだ」とか。

僕の経験からすると、これはなかなか強力で、何か瞑想のことを考えては、「あ、また考えた。考えちゃいけないのに。とまた考えた、ああ、どうやったら思考が止まるんだろう。とまた考えた。いや、マントラに戻らなきゃ……」といくらでも考えることを続けられます。そうすると、めでたく(笑)第二段階に行かなくてすむというわけです。これが第二段階に行かないためのマインドの巧妙な手口です。

瞑想の第二段階に入るというのは、マインドが止まるということです。出てきた雑念をどんどん棚上げして、考える案件がなくなればマインドは止まりますが、実際のところ、マインドは止まりたくない、消えたくない、考え続けたい。
そこで、仕事や人間関係などのいかにも雑念らしい雑念が片づいてくると、さも瞑想に協力するかのように、瞑想的に正しそうなことをずっと考えます。さまざまな欲を棚上げして、最後に残るのが瞑想が上手くなりたい欲だとも言えますね。

さて、ここからがようやく本題です。その最後のマインドの働きを、抵抗を、どう止めるか。ダメ出しをするマインドにダメ出しても、さらにダメ出しのループが深まるだけなので、その逆をすればいいのです。つまり、ほめること。「おお、こんな時にもよく働いているね。よく頑張ってるねえ」とマインドをほめてあげる。
そうすると、思考と距離が取れて、それ以上巻き込まれずにすみます。何ていうかな、ちょっと笑えます。お試しあれ。

宝彩瞑想リーダー:チバ

4月の中野支部レポート|058

2016年4月3日(日)の午後、第58回中野支部瞑想会を開催しました。今回は、珍しくマンツーマンの瞑想会で、内容の濃い会になりました。参加者のAさんは、全く経験のない部署に異動となり、引き継ぎの話もわからないことだらけで不安になりパニックを起こしかけているとのこと。その新しい部署とは広報だそうで、修行的観点と僕のデザイナーとしての経験からもいくつかアドバイスをしました。

万人を満足させたいというのは…

広報誌を作らなければいけないが、どんなものを誰に向けて作ればいいのかわからないと言うAさん。
それに対して、満遍なくトピックを作ろうとするのではなく、継続的な広報誌とのことなので今回はこれでいこうとテーマを絞ったが作っていても楽しいし、かえって多くの人に響くでしょう。たとえば、これまで広報誌を読む側だった自分がどんなものを読みたいかをとっかかりにするものいいし、また、誰か特定の人、たとえば家族や友人をイメージして、その人に伝えるつもりで作るのもいいんじゃないかと。
そもそも、すべての人を満足させられるものなんてありえないし、誰からも認められたい、誰からも文句を言われたくないというのは、実は自分を守りたい欲です。その欲が迷いの元になります。

「あれもこれも」という欲

表紙のデザインについても、同じようなことが言えます。あれもこれも目立たせたいと扱いを大きくしたり、無駄に色数を増やして、結果、メリハリがなくうるさいだけのものにしてしまうというのがよくあるデザイン的な落とし穴。ポイントを絞ってシンプルに考えた方が、より伝わる表現ができます。そのためにも、やはりあれもこれもという欲を捨てることが必要ですね。

不安というのは、情報不足

まだ経験したことがないのだから、今はいろいろと情報は不足しています。その状態で、仕事ができるかどうかなんて考えると、悪いことばかり想像して不安になるのは当然です。でも、実際にその仕事を始めれば、必要な情報や経験はおのずとそのつど得られます。その仕事をして一年たったら、今現在の自分とは全然違うと想像できるでしょう?

不安を感じることに不安を感じないこと

不安を感じているときは、アドレナリンが出て、呼吸が早くなり、心拍数も上がる。これは生理的には、興奮してドキドキしているのと同じ。つまり、「私はドキドキワクワクしている」と解釈の変更をすることもできます。そう思っていろいろチャレンジした方が楽しいですよ。

そもそも不安になるのは、自分の可能性を信じられているから

1mの幅の川を飛び越えなさいと言われても、不安はない。簡単に飛び越えられる。10mの幅の川を飛び越えなさいと言われても、不安はない。単純に不可能だから。じゃあ、50階建てのビルの屋上で、1m向こうの隣のビルに飛び越えるのは?不安は感じるだろうけど、いざとなったら飛べると思ってるでしょう? 大丈夫ですよ。

頭をクリアな状態にしておくには

これからたくさんの新しい情報や経験に出会うでしょうが、頭をクリアな状態にしておくには、やはり瞑想がいいですね。僕も最近新しい仕事に就いたので、個人的にもすごく実感してます。あと、職場の休憩時間のF瞑想もおすすめです。

他には、朝起き体操や腹式呼吸の練習もして、「呼び水」の今回のテーマは春のイベント。Aさんもしっかり棚上げが進んでいたようで、瞑想の第二段階に入れたとのこと。顔色もすっかり良くなり、晴れ晴れとした様子が印象的でした。

Aさんからいただいた感想メールをご紹介します。

チバ様

お世話になっております。今日は本当にありがとうございました。まさかのマンツーマンの瞑想会とは!おかげで色々仕事についてもお話しすることができました。

今は情報が無くて不安になっている状態であること、気付かないうちに「全ての人によく思われたい」という欲が発生しているので対象を絞ること、不安とワクワク感は身体的には同じ状態で、そもそも不安になるということは自分にはやれると思っていること、仕事の悩みについて修行的、瞑想的観点からアドバイスをいただく機会はなかなか無いので、とても参考になりました。

また参加させていただきます。今日は本当にありがとうございました。

宝彩瞑想リーダー:チバ

3月の中野支部レポート|057

2016年s3月21日(月・祝日)の午後、第57回中野支部瞑想会を開催しました。今回の参加者はベテランのみで、質疑応答というよりも、瞑想と修行にまつわる雑談・相談・近況報告といった感じで話が進み、リラックスしつつも濃密な瞑想会となりました。

瞑想に関する相談としては、最近は瞑想が深くなると眠くなるというのがありました。以前、瞑想の第二段階に入れてた頃は、頭が冴えた状態で瞑想できていたが、今は眠気を感じてなくても、瞑想すると眠くなる。そこで瞑想をやめることが多いとのこと。

瞑想で眠らないことは非常に重要です。瞑想して眠る癖がつくと、瞑想はそれ以上進みません。昼寝が上手くなるだけです。なので、初心者には瞑想して、眠りそうになったら(印がはずれる等)、瞑想は中止して眠気のない状態で瞑想するよう指導します。

ただ、瞑想の第一段階が進んで頭の中のデータの片付けが進むと、果たすべき仕事がなくなりマインド(前頭葉)もリラックスしてくるのですが、そのあたりで眠気を感じる場合があります。瞑想の第一段階の最後あたりです。

こういう瞑想が進んだ時点で感じる眠気の場合は、瞑想を続けてみると第二段階に行く可能性があります。毎回、そのまま続けて眠ってしまうのであれば、それは癖だと言えますが、何回か試して、そのうち1回寝てしまったというぐらいでは癖ではないので、チャレンジしないのはもったいない。僕の体験から言っても。

そこで、そのベテランの方に「寝てもいい」と思って瞑想すると、どうなるか試してみてもらったところ、「今までずっと瞑想中に寝てはいけないと思っていたので、寝てもいいとは思えなかった」とのこと。うまくいかないものですね(笑)。

まあ、瞑想の経験も多いはずなので、眠くなったらやめて、でもまた瞑想してみるとか、眠気を感じても続けてみるとか、いっそ呼び水をやってみるとか、ご自分でいろいろと工夫してみてください。それもまたいい経験になりますよ。といったお話をしました。

他にもいろんな話題がありました。興味深かったのが、自分が後悔していることに気づいて、「また、こんなことを考えていた」とさらに後悔してしまうという話。
そういう場合は、気づいたときに「よく働いてくれてるなあ」とマインドを褒めてあげるといいですよ。それだけで、やさしい気持ちになります。あるいは、笑えます。いずれにしても、その後悔の思考と距離が取れますよ。
とお話ししたところ、「マインドを褒めるという発想はこれまでなかった。ずっと自分にもダメだしばかりしてました。そうですね、これからは褒めてみます」と感慨深いご様子でした。
そうですね、それこそが自愛ですね。

宝彩瞑想リーダー:チバ

2月の中野支部レポート|056

2016年2月21日(日)の午後、第56回中野支部瞑想会を開催しました。今回はみなさんが初参加で、宝彩瞑想も初めてという方がほとんどでしたが、熱心な方ばかりで質問も多く、大変充実した瞑想会になりました。話題として出たいくつかのトピックをご紹介します。

「雑念がどんどん出てくるんですけど、もっとマントラに集中する方がいいんですか?」という質問。
これに対しては、「瞑想の第一段階は、何かに集中してそれ以外のことを考えないのではなく、マントラを唱えて出てきた思考に気づいて棚上げしていくのが目的です。
だから雑念が出てきているということに気づいている、そして、棚上げして、次の雑念がどんどん出てきているというのは、それでしっかり瞑想ができています。あとは、棚上げする量の問題です。
雑念というのは、その日見たこと聞いたこと考えたことの記憶データなので、これは大量にあるので、一本の瞑想ですべてを片づけるというのは、ちょっと難しいです。
目安としては、三本から五本ぐらいでしょうか。なので、一日一本の瞑想もいいですが、休みの日など、時間をとってまとめてやってみると瞑想が深くなりやすいですよ」と。

瞑想時間15分の意味
15分というのは目標ではなく、集中力が保てるのが最長15分だということです。瞑想は、自分の感覚で集中力が途切れている、つまり、ずっとマントラに戻れなくなっている、あるいは同じことを繰り返し考えている状態になっていたら、たとえ三分しか瞑想してなくても、そこでやめた方がいいです。いったんやめて、休んでからもう一度瞑想する方がいい。だらだら考え事をしながら15分瞑想するのは意味がありません。むしろ短時間でも集中した瞑想の方が効果的です。

『瞑想のニュートン算 S+max-my<0』の説明
『瞑想のニュートン算』を使って、瞑想の第一段階でやっている作業(棚上げ)の意味と、その作業をどうすれば早く終わらせることができるかという説明をしました。
ポイントとしては、S(ストック)がなるべく小さくなるように日中から心がけた方が瞑想は早く進む。それは同時に、瞑想のニュートン算の「(雑念の)増殖係数a」を小さくすることでもある。そのためには、『愛と欲の8要素表』が役に立ちます。なぜなら増殖係数aというのは、簡単に言うと「欲」のことだからです。

『愛と欲の8要素表』の説明
悪い気分になったとき、そこには必ず欲があります。その悪い気分の元の欲(思考)を見つけて、その欲と逆方向の愛に転化します。これが『愛と欲の8要素表』の基本的な考え方です。
「なにか具体的な問題や懸案事項はないですか?」と参加者の方に質問したところ、「上司に認められたい」とのこと。
「では、その反対は何でしょう?」
「認める、でしょうか?」
「おー、知ってますね!」
「認められたい」の反対というと、つい「認められなくてもいい」と考えがちですが、そうではなく、「相手を認めてあげる」です。
たとえば、上司からミスを指摘された時、自分の評価が下がることを恐れるのではなく、部下のことをよく見てくれている上司だなあと認めてあげることです。そうすれば、悪い気分は消え、瞑想のニュートン算のS(ストック)も小さくなります。

参考:知恵の完成と「愛と欲の8要素表」

『瞑想の真髄のサマリー』の説明(1)
なぜ、マントラを集中する対象にするのかという話をしました。感覚とか呼吸とかろうそくの炎だとか、外部情報を集中する対象にすると、その対象はいつまで経っても消えないので、その集中を手放すことができないからです。瞑想の第一段階の最後には、マントラも消える。集中の対象も手放さなければ、無心ではない。

『瞑想の真髄のサマリー』の説明(2)
「サマリーの最後に書かれている「悟り」というのは、どういうことなんでしょうか?」という質問もありました。「悟り」というのは、いろんな人がいろいろ言っていて、ある意味定義の問題ですが、このサマリーでの「悟り」とはマインドが保持しているプログラム(行動指針や思い込み等)が全部取れることです。
ただ、瞑想するときは、「悟り」をあまり意識しない方がいいです。
悟りたいと思って瞑想すると、富士山の山頂を見ながら富士山を登るようなものです。全然、目標に近づいている実感がなくてすぐに嫌になってしまう。
それよりは、毎回、瞑想して、この瞑想でアタマがすっきりしたとか、気持ちが落ち着いたとか、そういう些細な瞑想の良さっていうものを意識した方がいい。もっと言えば、瞑想中に「瞑想が早くならないかな、変化がないかな」と思うことこそ雑念です。その、アタマがつかんでいる雑念をひとつひとつ棚上げしていくことが瞑想です。急ぐよりもゆっくり進めるつもりの方が結果的には早く進むと思いますよ。

以上です。他にも、「音を聞く」「計算する」「外部情報が先か内部情報が先か」のワークや子供の頃好きだった遊びやおもちゃをテーマに「呼び水」も行いました。ほんと、充実して楽しい瞑想会でした。
参加者のみなさん、ありがとうございました。

参加者の方からコメントをいただきましたのでご紹介します。

先日はお世話になりました。
アフターメールありがとうございます。
その後、日々淡々と、続けております。地道さが大切だと感じております。
また、メールにて質問や、瞑想会にお邪魔させて頂くかめしれません。
よろしくお願い致します。

ケンタロウ

大変勉強になりました。また参加させていただきたいとおもいます。ありがとうございます。

ナカ

宝彩瞑想リーダー:チバ

1月の中野支部レポート|055

2016年1月11日(祝)の午後、第55回中野支部瞑想会を開催しました。参加者は、初参加の方と常連さんたち。今回もいろいろと興味深い質問がありました。

ひとつは、瞑想を始めた頃はいろいろ進展があったのですが、ここ最近かわりばえがしない感じですというもの。瞑想している状況を確認してみると、毎日寝る前に15分やっているとのこと。

そこで、瞑想の棚上げと夢(記憶の処理)の関係の説明をして、
「1日1本の瞑想をするのも素晴らしいことですが、すべての雑念を片付けるには1本の瞑想ではなく、たとえば、休みの日とかにまとめて何本か続けてやるとさらに深くなる可能性があります。ヒントとしては、寝る前に三本やって、目覚めてから三本やったりすると、睡眠中に記憶の処理も進んでいるのでさらに効果的。この通りにやった方がいいというわけではないけど、参考にしてみてください」
こういった説明をしました。

ふたつめは、ときどき過去の記憶のようなものが瞑想していると出てきますが、これは過去閲覧ができてるのでしょうか?というもの。
そのときの状況や感覚を聞いたところ、どうやら過去閲覧ができているようなので、そういう場合はそこからその周辺の記憶を辿ってみてもいいですよ、と。

また、瞑想していると姿勢が崩れてくるが、直した方がいいのかという質問も。
姿勢が崩れてきて苦しかったりつらかったりするか確認したところ、そうではないということなので、それではそのまま放っておいて姿勢のことも棚上げしてくださいと答えたところ、他の方から、丸まった背中をゆっくり戻したりするのもやらない方がいいのかと質問が。

それに対しては、実際にはそういうことはケースバイケースなので、たとえば、一本目の瞑想を始めたばかりのときに、どこかかゆくなった場合は、さっさとかいた方がその問題が早く片付くかもしれません。
でも、瞑想が深くなりかけている状態のときに体を動かすと覚めてしまうので、体は動かさない。かつ、そのかゆみを否定したり我慢したりするのではなく、ただかゆみを「かゆみ」と認めてマントラに戻る。つまり、棚上げするというやり方のほうが片付けとしてふさわしいかもしれません。
いずれにしても、ぼくの経験では、その問題からどれだけ早く手を引けるかがポイントだと思います。

「呼び水」は、いつもの連想ゲーム形式ではなく、一人で家でやりやすい方法として、楽しい思い出にまつわるものをスケッチするという呼び水をやってみることにし、子供の頃によく遊んだおもちゃの絵を描きました。みなさん、それぞれに過去閲覧ができたようで懐かしく楽しそうでした。おかげさまで、今回も充実したいい瞑想会になりました。

瞑想会の後、何人かの方とカフェに行きましたが、そこでも面白い話が聞けました。Aさんが、『楽しもう。瞑想(光文社)』を久しぶりに読んだら、すごくよくわかって面白い、たとえば、「愛と欲の8要素表」のこととか前にも読んだはずなのにこんなことが書いてあったんだと。

たしかに、修行は読むだけではなく、自分で体験してその意味が理解できるということもありますね。そう言うと、Aさんがご自分の最近の体験を話してくれました。
ある店で、一点もののブレスレットを見つけて買おうかと迷ったそうです。結局買わなかったけど、後で思い出してついあれこれと考えてしまうから、「愛と欲の8要素表」を思い出し、欲の思考を愛の思考に変換してみたそうです。
欲しいの反対はあげるだ。誰にあげればいいんだろう?そうだ、私よりもっとあのブレスレットが似合う人にあげよう。そう思ったら、もうその瞬間に気持ちが晴れた。それがすごい面白い体験だったと楽しそうに話してくれました。そう、修行って面白いものですね。

知恵の完成と「愛と欲の8要素表」

今回も、参加者の方から感想コメントをいただきました。

イナガキです。
先日はありがとうございました。

一人で瞑想に取り組んでいると「これでいいのかな」という不安もあるので、時々こうやって瞑想会に参加させていただくといろいろ参考になります。
時間があるときは、朝の瞑想も試してみようと思います。

宝彩瞑想リーダー:チバ

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