宝彩瞑想会|中野支部

瞑想の基本から、その奥まで。

「愛と欲の8要素表」のヒントとコツ(1)

前回の中野支部瞑想会で、瞑想を早く進めるためには日中の過ごし方も大切ですというお話をしました。具体的には、自分の悪い気分になるべく早く気づいて、その気分を発生させている思考を消すことです。

そうすることで、怒りや心配、不安、後悔といった悪い感情を伴う重いデータが減ります。そうすると、瞑想の第一段階の棚上げがすみやかに進みます。また、棚上げそのものも上手になります。まさにいいことづくしです(笑)

悪い気分の元になっている思考を消す方法のひとつとして、「愛と欲の8要素表」というものがあります。

↓こちらです。
愛と欲の8要素表(PDF2ページ目)

この表は、「始めよう。瞑想」などの市販本にも載っていますが、実際に使っているという方は少数派のようです。まあ、本に載っていてもうしろの方にあるので、つい読み流してしまうのかもしれません。たまに「これ、やってます」という方がいて感心しますが。

この「愛と欲の8要素表」についてのヒントやコツを何回かに分けて書いてみたいと思います。まずは、「愛と欲の8要素表」をなかなか覚えられないという話が支部瞑想会であったので、次回は、その簡単な覚え方から書いていきます。
お楽しみに。

宝彩瞑想リーダー:チバ

「愛と欲の8要素表」のヒントとコツ(2)

前回の続き、「愛と欲の8要素表」の覚え方について。
「愛と欲の8要素表」は、まるまる覚えようとすると、全部で24項目あるのでたしかに大変です。そこでオススメなのは、丸暗記ではなく、その意味を理解することです。

現在は「愛と欲の8要素」となっていますが、元々このコンセプトは「思考サイクル」でした。思考というのはどういうふうに働いているかという説明です。思考は基本的に欲で動いているので、つまりは、欲の4要素ということになります。僕が覚えている範囲では、気楽なさとり方シリーズの『心がどんどん晴れる(日本教文社)』が初出だと思います。この欲の4要素、つまり4つの思考サイクルを覚えれば、「愛と欲の8要素表」は楽に覚えられます。

『心がどんどん晴れる』には、思考サイクルをまとめた面白いフレーズがあります。
「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」です。まさに欲の思考ですね。すさまじい(笑)。まず、これを覚えましょう。
「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」。

ここで思考のサイクルについて少し解説しておきます。思考のサイクルとは、何かの情報を「取って」、その情報をすでに記憶している情報と「比べて」、その情報なり意味を「ため込んで(記憶)」、さらに考えたり行動するために「もっともっと」と価値のある情報を取りにいこうとすることです。

たとえば、目の前を何か黒っぽいものが素早く横切ったとき、「わ、なんだ、虫か?シマシマがあった気がするから、蜂かも。蜂なら刺されるかもしれない。わ〜逃げよう!」と、一瞬で思考のサイクルは回ります。「思考」と言っても、言葉だけでなく、イメージも使っています。サイクルなので、気づけばすぐに何周もしています。特に、危険そうなもの、不利益の大きそうなものなどは、あっというまに何周もして莫大なデータを頭は作ります

さて、現在の「愛と欲の8要素表」にも「得る」「保つ」「比べる」「もっともっと」がありますが、「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」とリズムに乗って言う方が覚えやすいと思います。これを覚えたら、あとは、英語にすると「get, compare, hold, more」。漢字にすると「欲」「比較」「執着」「不満」。わりと簡単に導き出せるでしょう。

反対を考えれば、愛の4要素が出てきます。
「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」の反対は、「与えて、認めて、手放して、満足」です。簡単でしょう?

次回は、「愛と欲の8要素表」を実際に使うときのヒントやコツを書きます。
お楽しみに。

宝彩瞑想リーダー:チバ

「愛と欲の8要素表」のヒントとコツ(3)

前回は、欲のサイクルを理解すると「愛と欲の8要素表」は覚えやすいですよという話でした。例の「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」です。

今回から、実際に「愛と欲の8要素表」を使うときのヒントやコツをご紹介しようと思いますが、その前に。
「取って、比べて、ため込んで、もっともっと」は、言い換えるとGET, COMPARE, HOLD, MOREですね。この順序は、いわゆる「愛と欲の8要素表」とは少し異なっています。「愛と欲の8要素表」ではGET, HOLD, COMPARE, MOREとなっていて、HOLDとCOMPAREの位置が違います。

このことは以前から気にはなっていましたが、まぁいいかと放置していました。今回、「愛と欲の8要素表」について書くにあたり、宝彩先生にこの順番の違いの理由を質問してみました。下記に、宝彩先生の返事を一部抜粋してご紹介します。

自動車の4つの車輪で説明すると、前進している時には、どれも、同時に回転している(機能している)わけで、どれが、最初で、その次がどれということもないですね。同時です。
そして、どれかを止めると、全部止まる。もし、4つの車輪のようだとすると、get, hold, compare, moreと、文字で書くと横並びで、順番があるようですが、どれかが回転したら、つぎにどれかが回転するという順番があるのではなく、同時に4車輪とも回転しているということですね。
多分、それが欲の正体だと思います。

本当は、たぶん、湖水の表面のように、複雑な波が揺れていて、ここが盛り上がったら、get, ここが盛り上がったら、hold,ここが盛り上がったら compare,ここが盛り上がったら moreみたいな感じで、どこがどの順番でもりあがるのか分らない、それぞれに動く、また、同時に盛りあっがり、沈んだりすることもある、みたいな、動きでしょうか。揺れている、生きている、動いているという感じですね。

ということで、順番はどう書いても、それなりに合ってるというか、あるいは、どう書いても、それなりに違っているというか、微妙ですね。紙の上は二次元ですし、文字で書くと一ラインで一本道ですが、実際は、3次元4次元の動きだと思いますね。

なかなか面白い話ですね。
「欲のサイクル」というとつい固定的なサイクルでイメージしがちですが、たしかに実際の思考はもっとダイナミックかつ微細に動いている感じがします。

宝彩瞑想リーダー:チバ

「愛と欲の8要素表」のヒントとコツ(4)

さて、「愛と欲の8要素表」のヒントとコツですが、確認してみたところ「愛と欲の8要素表」や欲のサイクルについては、『楽しもう。瞑想』の第4章「日常生活と瞑想」にわりと詳しく書かれていますね。ここに僕が書くつもりだったヒントがいくつかありましたので、そちらも踏まえて4つポイントを。

ひとつめは、欲の思考を愛の方向に変換するとき、無理やりに、そう思い込もうとするのではなく、「愛の方向に変換してもいい理由」を考えること。「ありがたい」「それでよろしい」「すべてうまくいっている」といった愛の方向に考えてもいい理由をがんばって探し出すことです。

そして、「愛の方向に変換してもいい理由」の数は多ければ多いほどいいということ。どのくらいの数かと言えば、欲の思考に向かう理由よりも「愛の方向に変換してもいい理由」の数が多くなれば、気持ちはガラッと変わるので、やってみればわかります。これは、ある意味、数の勝負です。これがふたつめ。

3つめが、「愛の方向に変換してもいい理由」を考えるとき、ひとつ理由を考えたら、そのときの気分の変化を感じること。すぐには気持ちの変化が起きなくても、しっかり感じながらやっていると、じわりじわりと気分が変わっていくのがわかると思います。その方向で進めば、ある瞬間に驚くほど気分は変わります。笑ってしまうぐらい。

4つめは、気分の悪さを生み出している思考が、欲の思考のどの要素かわからないときは、とりあえずひとつ選んで、逆方向にしてみる。欲の思考は、サイクルなのでどれかひとつの要素が止まれば、その思考全体が止まります。つまり、どれを止めてもいいということです

何か嫌な(ことだとアタマが思う)こと起きたら、とりあえず「こんなことが起きて、ありがたいなあ」と感謝(enough)する。もちろん「してあげる=愛(give)」「まあいいか=笑い(drop)」「それでよろしい=大肯定(accept)」など、自分のお気に入りのやり方でいいです。

宝彩瞑想リーダー:チバ

「愛と欲の8要素表」のヒントとコツ(5)

「愛と欲の8要素表」のヒントについてですが、最後にもうひとつ、僕の体験を書いてみます。僕がこの愛転化法をやるときに感じた最初のハードルは、欲の思考を愛の思考に変える気になんてなれないというものでした。スタートから全否定(笑)。否定っていうより気が進まないというか。

だってね、「欲しい」を「あげる」に変えるって。
いや、理屈はわかりますよ、なるほど、そこを変換すれば気分が良くなるのかと。でも、実際にやろうとすると、そんなこと無理でしょ、ありえない、自分に嘘をつく気がする。とマインドの言いなりになっていては、一歩も進みませんね。
では、どうするか?

僕のオススメは「ゲームとしてやってみること」です。最初から、「あげる」とか「感謝する」ことを本気でそう思うようにしなくていい。
仮にそう思ってみる。そして「『愛』の方向に思考の向きを変えていい理由」を頑張って数えあげる。何か嫌なことが起きたときに、それが起きて良かった理由を、ゲームやクイズをやってるつもりで、できるだけたくさん考える。

最初の頃は、そんな感じでした。初めて、この愛転化法がきまったときには、その気分の変わりように本当に驚き、同時に笑っちゃいました。みなさんも、ぜひご自分で体験してみてください。

宝彩瞑想リーダー:チバ

瞑想の間接的な準備と「愛と欲の8要素」

先日の瞑想会で、個人的に印象的だったことがあります。宝彩先生が作成された「瞑想会のしおり」という資料を支部瞑想会でも使っていますが、この解説をしたときのことです。

まず、資料表面の「マントラ」「瞑想のニュートン算方程式」「愛と欲の8要素表」を順に説明をし、裏面の「瞑想の真髄サマリー」の唱和と解説を行いました。「瞑想の真髄のサマリー」は、瞑想がどのように進んでいくのか概略を示したものですが、その中に「瞑想には準備があり、間接的な準備には、禁止的な準備と奨励的な準備がある」という内容の項目があります。

この「間接的な準備」とは、瞑想の直前の準備ではなく日中の過ごし方という意味で、「禁止的な準備」とはやらないほうがいいこと、怒りや不平不満、心配や不安をため込んだりしない方がいいこと。「症例的な準備」とは、その反対です。つまり、欲の思考を愛の思考に転化すること。

その愛転化のポイントをまとめたものが「愛と欲の8要素表」であり、なぜ愛転化が瞑想の準備になるかというと「瞑想のニュートン算方程式」のSが小さくなるからです。

瞑想のニュートン算方程式

S+maxーmy<0

(S = ストック、瞑想の第一段階で片づける情報データ)

と、「愛と欲の8要素表」から「瞑想のニュートン算方程式」へと逆戻りの説明になり、この「瞑想会のしおり」って、大事なポイントがきれいにまとまっているんだなぁと改めて感心しました。

<参考>
宝彩有菜の瞑想のニュートン算方程式
http://hosai02.la.coocan.jp/newton-001/newton-index.htm

「知恵の完成」と「愛と欲の8要素」
http://hosai02.la.coocan.jp/progress/pdf01/pt-hatiyouso.pdf

宝彩瞑想リーダー:チバ

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